3.11から増加中!高校生が立ち上げた復興支援団体
東日本大震災から、もうすぐ2年が経とうとしている。日本中に衝撃を与えた被災地の状況に、「高校生にもできることがあるはずだ」「この悲劇を繰り返してはならない」…と立ち上がった高校生たちがいる。そんな高校生の自主的な活動をいくつかを紹介しよう。
■高校生ボランティア団体「co-Act」
震災直後の2011年4月、札幌市内3校の高校生が発足させたもの。企業に企画書を送って制作にこぎつけたリストバンド(下の写真)を有料配布し、昨年その売り上げ約15万円を被災地に寄付した。ほか、大学生の震災支援団体と意見交換したり、連携してボランティア活動などを行っている。
3代目代表を務める札幌白石高校2年生橋本妃世さんは、活動への思いをこう語る。
「震災が起きて、私と同い年の被災地の人のことを考えました。出かける場所がない、友達も亡くなったり、避難してバラバラだったり…。次はいつ会えるかわからない、もう二度と会えない。想像するだけでも私には耐えられないと思いました。平凡なことが普通にできることに感謝しながら、それを忘れずに、忘れられないように活動を続けていこうと思います」
2012年4月に首都圏の高校生が立ち上げ、現在は関西支部、東海支部もある団体。関東本部では約40人の運営メンバーが冊子・旅行・イベント・広報の4班に分かれて活動。冊子班は昨年、28ページにわたるフリーペーパー『東北さいこう!』(「最高」の東北を「再考」し「採光」することで東北の「再興」へとつなげる願いを込めたタイトル/下の写真)を発行した。
旅行班は、これまで2回の東北バスツアーを開催。各42人の高校生が参加して気仙沼の10代との交流やワークショップを行った。イベント班は東北の食材を使った料理教室などを開催し、広報班は次の災害が起こった時に支援し合えるネットワーク作りを目指してFacebookやメルマガ、ブログなどを運営している。
副代表を務める神奈川県の高校3年生、古川拓さんはこう呼びかける。
「10代が復興支援しやすい環境と、次の震災に備えて素早く行動を起こせる体制を整えるという、2つを理念に掲げて活動しています。お金も時間もない10代ですが、だからといって何もできないわけではありません。最初はメルマガに登録してみたり、料理への興味から料理教室に参加するでもいいから、一歩を踏み出してほしい。そこから復興支援や次の災害に向けた活動にみんなが少しずつでもステップアップしていけるよう、ぼくたちは活動内容を考えていきます」
このほか、名古屋と仙台の高校生による「bud」は、消費による被災地支援のため、東北の食材を使った「仙台×名古屋 高校生のmake・未来べんとう」、略して「みらべん」を開発・販売している。また、首都圏で活動する高校生団体「Youth United」は、福島市在住の男の子が描いた絵を缶バッジにして販売し、売り上げは福島の子どもたちのための活動資金にしているという。
東北の復興のために、あるいは次に起こる災害に向けて、高校生にできることは決して小さくないようだ。