公立学校で「週6日」制度導入へ。学校での勉強はよりハードに?

今の高校生にとっては土日が休みの週5日制が当たり前。しかし、早ければ来春からは土曜日も授業を行う週6日制がスタートすることになりそうだ。

 

この2月に下村博文文部科学大臣が、公立学校の週6日制導入について具体的な検討に入ることを明言。その後、「総合的な学習」や「道徳」を土曜日に回し、平日の教科学習を充実させる案などが現段階までに検討されている。

 

実はこの制度、新規スタートというよりは復活。20年ほど前は毎週土曜日にも授業を行っていたのだ。1992年の途中から、徐々に月1回第2土曜日が休み、月2回第2・第4土曜日が休みという期間を経て、前の学習指導要領の実施に合わせて2002年度から完全週5日制がスタート。その歴史は10年強に過ぎず、いわゆる「ゆとり教育」の期間に重なる。では、なぜ今、週6日制の復活なのだろうか?

 

「例えば東京23区内の私立高校では多くが週6日制を実施しています。やはり、しっかり勉強しようとすると週5日では足りないということを先生も保護者も感じているのではないでしょうか。現状の週5日制だと、例えば小学校低学年でも5時間目があるなど、今は子どもにとってかなり厳しいスケジュールになっています」(東京学芸大学教育学部/田中敬文准教授〈以下同〉)

 

それに加えて、学習指導要領の改定で主要教科の時間数が増えた。そうなると、週5日ではとてもこなせないというのが現場の実情。学校行事を減らしたり、中には修学旅行をなくしたりする高校もあるなど、いろいろとひずみは出ていたのだ。

 

「週6日制は、平日に詰め込みすぎた授業スケジュールを緩和し、学校行事などにも余裕をもって取り組めるようにすることが目的。生徒の負担をいたずらに高める性質のものではありません」

 

どうやら高校生にとってもデメリットよりメリットのほうが大きい話のようだ。ただ、それでも休みが1日減るのはイヤ!という高校生もいるかもしれない。さて、あなたはどう思うだろうか?