20代の国民年金納付率は5割以下?年金を納めないとどうなる?

国民年金への加入は20歳から。あと数年で、今の高校生も毎月納付することが義務づけられる。会社に入った場合は、年齢に関係なく厚生年金に加入する。こちらは簡単にいえば会社員を対象とした公的な年金制度。公務員や専業主婦などを除けば、大人になれば誰もがこのどちらかに加入することになる。

 

ところで、年金といえばここ数年問題になっているのが、自営業、フリーター、学生など会社員以外が対象となる国民年金の納付率の低さだ。現実に2011年度の国民年金納付率は58.6%。年代別にみると最も低いのが25~29歳の46.1%で、20~24歳も50.1%と平均を下回っている。若い世代の納付率が非常に低いのだ。

 

では、高校生は現段階で年金についてどう考えているのだろうか? 対象年齢になったら年金をちゃんと納めるつもりがあるかどうか、リクナビ進学が400人を対象にアンケートを実施したところ(2013年4月調べ)、92%が「納める」と回答(もちろん納めないといけないのだが)。高校生の意識は高いのに、どうして大人になると納付しない人が増えてしまうのか?

 

最も多いのは経済的に苦しくて払えないケース。その場合は、手続きをすれば納付の免除や先延ばしが可能だ。ただし、何の手続きもしていない未納者も300万人いる。

 

中には「どうせみんな払ってないんだから」「国の年金制度はいずれ破綻する」という意識で納めていない人もいるのではないだろうか。では、本当に破綻することがありえるのだろうか?年金に詳しい社会保険労務士の原佳奈子さん(TIM コンサルティング)に話を聞いた。

 

「年金は国の基本となる制度ですから、破綻はまずありえません。民間にも老後に備えた年金型保険はたくさんありますが、社会保障制度の1つである公的(国の)年金とは性質がまったく異なります」

 

破綻するかもしれないからと未納を続ければ続けるほど、自分が老後にもらえる年金もその分減ってしまう。それだけではない。そもそも国の年金制度は、自分のためだけに納めるものではなく、みんなが安心して暮らせる社会を維持するための仕組み。これを否定するということは、困っている人を見捨てる社会を肯定しているということにもなる。

 

「知らない人も実は多いのですが、国の年金は、高齢者だけでなく、重い障害を負ったときや、夫が死亡したときなどにも支払われます。イザというときの備えとしても非常に重要なもの。最近は50代になって、それまで納付していなかった人が『今からでも納めたい』と相談に来るケースも多いんです」

 

さて、そうなるとスタートが肝心。就職すれば厚生年金は会社が手続きをしてくれるが、学生の間に20歳を迎える場合は要注意。国民年金は自分で納めるので、なしくずしで未納にしてしまうケースも実は少なくない。払えない場合は待ってもらうこともできるので必ず手続きを。

 

…といっても、上のアンケート結果を見る限り、今の高校生が20歳になった時にはそんな心配は必要なさそう!?