意外とカンタン!? 中高生もやっているアプリ開発

スマホやiPad(R)で日常的にアプリを使っている高校生も、アプリを作ったことがある人はあまりいないだろう。アプリ開発は「高校生には無理」「専門知識が必要では?」と思っているかもしれないが、実は意外とカンタンに楽しく作れるようだ。

 

高校3年生の笹本健斗さんも1年前にアプリ開発を始め、そのおもしろさにハマった一人。

 

昨年の春、中高生のためのIT教育キャンプ「Life is Tech!」に弟が参加するという話を聞き、笹本さんも興味をもって参加。それまではゲームアプリでよく遊んでいたものの専門的な知識はまったくなかったが、そこで初めてiPhoneアプリの開発を経験した。キャンプでは、未経験者でも参加・技術習得できるカリキュラムが用意され、中高生5人に1人の大学生がついて教えてくれるという。

 

「最初はいったいどうやったらアプリができるんだろうと思っていましたが、スタッフの大学生がすごく丁寧に教えてくれたので、想像以上に簡単にできたという印象です。自分の作ったアプリが実際に動いているのをみて、けっこう感動しました」(笹本さん、以下同)

 

夏休みには2作め、動物の鳴き声クイズアプリ「VoiceZoo」(下の画像)を制作。中高生のためのスマホアプリ開発のコンテスト「アプリ甲子園2012」に応募し、なんと決勝戦進出の11人に選ばれた。

 

動物の鳴き声クイズアプリ「VoiceZoo」

 

自分の作品が周囲に認められたうれしさもあり、「そこからアプリ開発にハマった」と笹本さん。「Life is Tech!」のほかのキャンプへの参加のほか、iPhone(R)だけでなくアンドロイドのアプリ制作についてもオンライン学習サービスで学ぶなど、自分なりに学習を進めている。休日には著名なプログラマーの講演会や、プログラミングの勉強会などに積極的に参加するようになった。こうして深めていくうちに、将来の目標ができた。

 

「それまでは特に将来やりたいこともなく、とりあえず偏差値の高い大学に入ろうと思っていたのですが、アプリ開発の楽しさを知って、情報系に進みたいと思うようになりました。キャンプで大学生と交流する中であこがれの大学もでき、今はその大学に合格できるよう受験勉強をガンバっています」

 

もし、昨年、アプリ開発のキャンプに参加していなければ、アプリ甲子園に出ることはなく、高3の今でも目標がなく受験勉強にも身が入らなかったかもしれない。ほんの小さな一歩が、笹本さんの高校生活と将来を大きく動かした。

 

今年度もアプリ甲子園が開催される。すでに事前登録受付が開始されており、作品エントリー受付期間は7月1日~8月31日で夏休みと重なる。「アプリ開発のおもしろさは、自分だけのオリジナルの作品を作ることができること」という笹本さんの言葉に共感する人は、この夏、アプリ開発に取り組んでみてはいかがだろうか。

 

※タイトル写真:アプリ甲子園2012の決勝戦