東京都立国立高校の文化祭が“日本一”と言われている理由
9月は文化祭の季節。
各地でさまざまな文化祭が開催される中、東京都立国立高等学校の文化祭、通称“国高祭”が「日本一の文化祭だ」とネットを中心に話題らしい。
そこで、何がすごいのかを探るべく国立高校に潜入してみることにした。
■学校に潜入したはずが、そこはまるで作業場…!?
校内には、夏休みにもかかわらず文化祭の準備に励む生徒がいっぱい。
さっそく3年生の教室をたずねると、薄暗い照明の中に本格的なバーカウンターが!
見慣れた教室とは思えない!! これは一体…?
「実はこれ、演劇のステージなんです。バーは舞台のセットですね。本校では、3年生になると全クラスが演劇を行います。演目の内容によっては、階段や玄関などの大掛かりなセットも生徒たちが作るんですよ」とは、国立高等学校の板山裕先生。
※写真は昨年のものです。
3年生が全員演劇をするなんて…、そんな文化祭聞いたことない!
さらに、教室の外の壁にも演目に合わせた装飾を施すのが国高祭の特徴なんだとか。ちょっと見てみると…
昨年外装の1等賞の「外装賞」を獲得した作品
すごい! 高校の文化祭のレベルを超えてる…! こんな技術、どこで身につけるの!?
「先輩から譲り受ける資料があるんです。そこには、『舞台のセットは、まず模型から作る』といった手順や、大道具の設計の仕方、音響や照明の使い方などが記されています。夏休みには卒業生が直接指導をすることもありますね」
プロ顔負けの技術は、代々受け継がれていたものなんだ!
でも、すごいのはセットだけではない。各クラスの演目は80分にも及ぶ超大作。1年前に決定し、キャストのオーディションをしたりボイストレーニングを行ったりと、本格的な練習を積んで挑むため、見応え満点の内容と完成度だとか。
■とにかくものづくりが好き! あふれるアイデアは止まらない!
ちなみに、1、2年生は何を?
「演劇以外の出し物をクラスで行うのですが、クイズやゲームを1つずつクリアしてゴールを目指す体験型ロールプレイングゲームやリアル脱出ゲームといった手の込んだものが多いですね。『ものづくりをしたい』という意識が高いので、文化祭の定番である飲食店をやるクラスはほぼありません」
また、文化祭が近づくと各クラスが“広報活動”を行うとのこと。チラシやポスターはもちろん、プロモーションビデオを撮影してネットで配信するというから驚きだ。
「これらはすべて生徒自身が始めたもの。文化祭を通して、生徒の自主性や協調性が養われれば」と板山先生。
全校生徒が“ものづくり”に情熱を注ぐ国立高校。確かに日本一の文化祭と言われるのも納得だ。
今年の国高祭は9月7日、8日に開催予定。自分の目で、そのすごさを確かめてみる?
※トップの画像は去年の作品。
第66回国高祭データ
文化祭 9月7日(土)9:00〜17:00 /8 日(日)9:00〜16:00
体育祭 14日(土)8:30〜15:30
(受付終了時間は特に設けていません。)
文化祭はスリッパをご持参ください。
車、バイクでのご来場はご遠慮ください。