専門学校の夜間、昼間部との違いを徹底調査

夜間部生にはどんな人がいるの?
 
専門学校には夜間に学べる『夜間部』があるって知ってる?
 
夜間部とは、日中は授業をおこなわず、平日の夜18時ごろから21時ごろにかけて授業をおこなっているところ。
 
「進学しようか就職しようか迷っている」「集中して学びたい」「学費の面で進学に不安がある」という人に進学の選択肢の一つとして紹介したいのがこの夜間部。
 
高校卒業後すぐにいくイメージをもっていない人もいるかもしれないが、実際のところ、夜間部生のうち27.0%(※東京都内の専門学校の場合)が高校卒業後すぐの学生なんだそう。
 
これは、高校既卒者の24.5%、大学卒者の28.2%とほとんど同じくらいだ。
 
【専門学校 夜間部入学者の学歴】
 
専門学校 夜間部入学者の学歴

※平成28年度 専修学校各種学校調査統計資料

 
「学ぶ」と「働く」が両立できる、学費が昼間部と比べて安い傾向にある、幅広い年齢層の人と一緒に学べる、短時間で集中して学べる、など夜間部ならではの魅力もいっぱい。
 
その一部をここで紹介しよう。
 

修業年限は2年制が最も多く、3年制、4年制も

夜間部は設置学科が限られ、定員規模も小さいが、それでも『教育・社会福祉関係(保育・社会福祉)』『医療関係(歯科技工・歯科衛生・柔道整復・理学療法・作業療法)』『衛生関係(理容・美容)』『工業関係(建築・情報処理・IT)』『商業実務関係(旅行・ホテル・観光)』など、さまざまな学科で夜間部がある。
 
多くの専門学校・学科は2年制となっているが、なかには3年制・4年制という学科もある。
 
修業年限は、取得できる・取得を目指す資格によって決まるものと覚えておくといい。
 

 
幼稚園教諭や保育士を目指す学科は3年制、理学療法士や作業療法士、はり師・きゅう師を目指す医療系学科は4年制が多く見られる。
 
しかし、同じ理学療法士・作業療法士でも3年制の学校もあるなど修業年限は学校によってまちまちなので、希望分野や希望校をそれぞれしっかりチェックしておこう。
 

取得できる資格、就職実績は昼間部とほぼ同じ

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夜間部の入試は、AO入試、推薦入試、一般入試を設けている学校が多く、これは昼間部とほぼ同じと言える。
 
学ぶ量で昼間部との違いがないので、美容師・保育士・作業療法士などの国家資格をはじめとして取得できる・取得を目指す資格も昼間部と変わらない。
 
もしかしたら不安に思っている人がいるかもしれない「就職率」も、昼間部と同じか、または夜間部のほうが高い学校もあるほどなので安心しよう。
 
では、夜間部と昼間部の違いは?
 
当然と言えば当然だが、授業のスタート時間と授業数が大きく変わってくる。
 
以下、夜間の時間割を一部紹介するのでチェックしてみよう。
 

授業は18時~21時30分。1日2~3コマが一般的

専門学校の夜間で学ぶってどんな感じ?昼間部との違いを徹底調査
 
学校によって多少の違いはあるが、多くの学校で18時~21時30分までが授業となるようだ。
 
1日に2~3コマ、週5日としている学校がほとんどで(学校や学科によっては、土曜日に補習授業などが入る場合あり)、1日に4~6コマが一般的な昼間部に比べて集中して学んでいることがわかる。
 

臨床実習や教育実習がある分野は、主に最終年次に8週間~10週間ほどの実習期間がある。
 
【医療分野 夜間部の時間割例】
専門学校の夜間で学ぶってどんな感じ?昼間部との違いを徹底調査

※時間割は一例。詳しくは各学校の情報を確認しよう

 
【商業実務分野 夜間部の時間割例】
専門学校の夜間で学ぶってどんな感じ?昼間部との違いを徹底調査

※時間割は一例。詳しくは各学校の情報を確認しよう

 

専門学校の夜間で学ぶメリットは?

夜間部のメリット①/「学ぶ」と「働く」を両立できる

専門学校の夜間で学ぶってどんな感じ?昼間部との違いを徹底調査
 
夜間部の授業は一般的に18時以降からとなるので、昼の時間を「働く」時間に充てられることが最大のメリット。
 
朝から夕方までアルバイトをする人や、高校や大学を卒業していて夜間部に通う学生の中には、昼は会社で正社員として働いている人もいるんだそう。
 
昼間の働き先を学校から紹介してもらうケースもあるようで、学んでいる分野にまつわるアルバイトをしている人もいる。
 
これには、働く中で出てきた疑問を授業で解決し、授業で学んだことを仕事で実践するという相乗効果によって、「学び」が一層深くなるという声も!
夜間部に通う学生の中には学費を自分で払っている人も少なくはなく、働く時間を確保しながら学べることが大きなメリットのようだ。
 

夜間部のメリット②/傾向として、昼間部に比べて学費が安い

ある学校の救急救命士学科の場合、3年間での昼間部との学費差額は約100万円!
 
学校ごとに学費が異なるので一概には言えないが、全分野を平均してみると昼間部に比べて夜間部の学費は安く設定されていると言える。
 
夜間部に限り『月払い』制度を導入している学校もあり、これなら入学時の経済的負担を軽くすることができ、昼の仕事で得た給料を授業料に充てれば、学費を自分で払うこともできる。
 
もちろん、夜間部への進学をする場合でも『奨学金』を利用できる点も覚えておこう。
 
奨学金は、国・都道府県・市区町村が運営する公的なもののほか、学校独自のものや民間団体が運営するものなど種類もさまざまだ。
 

夜間部のメリット③/少人数制なので、より内容の濃い授業が受けられる

専門学校の夜間で学ぶってどんな感じ?昼間部との違いを徹底調査
夜間部には、大学を卒業した人や、社会人を経験した人などさまざまな経歴をもった人がいるので、一緒に学ぶことで刺激を受けることも多いよう。
 
また、昼間部に比べて1クラスの人数が限られていることが多く、夜間部に通う学生からは、「先生との距離も近く質問しやすい」「夜間部は少ない人数で昼間部と同じ設備や機材を使うことができるので、短い時間でも充実した実習を受けることができた」などの声も聞かれる。
 
少人数制で先生との距離も近く、集中して学ぶ環境が整っているようだ。
 
さらに、夜間部に限ったことではないが、専用Webサイトで講義内容や資料を確認できたり、演習課題の解答や質問ができるシステムを用意している学校も増えてきている。
 
時間の制約が多い夜間部生にとって、スマートフォンやパソコンを使って自宅で予習・復習ができるのは嬉しいことだ。
 

夜間部があるかどうか、まずはチェックを

専門学校の夜間で学ぶってどんな感じ?昼間部との違いを徹底調査
 
行きたい分野や専門学校があり、学び方として夜間も考えたいという人は、まずは夜間部があるかどうかチェックを。
 
夜間部がある学校はそれほど多くはなく、地域によってはその分野では県に1校のみという場合もある。
 
修業年限、学費、土曜日に補習があるかどうか、臨床実習・教育実習の回数と時期など、まずは学校のホームページやパンフレットをよく見てみることがオススメ。
 
昼間部にするか夜間部にするか迷っているという人は、学べる内容や環境面、ライフスタイルとどう両立するかなど、総合的に判断しよう。
 
自分にピッタリの学び方がきっとみつかるはず!
 
※取材協力/東京都専修学校各種学校協会
 
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