専門学校の資格おすすめ一覧|将来に活かせる資格と選び方をわかりやすく解説!

キミは「資格」と聞くと、どんなイメージを思い浮かべるだろう。

「資格があれば就職に強い」「資格があれば将来安泰」という安心感? それとも勉強をたくさんしなければいけないから大変そう?

実際にはひと口に資格といってもたくさんの種類があるし、資格ごとに就職への強さや難易度も変わってくる。

じゃあ、それだけ多くの資格の中から「本当に自分に合う資格」ってどんなふうに探し出せばいいんだろう。

この記事では、専門学校を卒業することで取得できる資格などの一覧を紹介しながら、年間100人以上の高校生の進路のお悩みを解決している進路指導のプロ・神﨑史彦先生に「将来に活かせる資格」をテーマにお話を聴きながら解説していくよ!


教えてくれたのは
監修者プロフィール  乾 喜一郎神﨑史彦 先生

株式会社カンザキメソッド代表取締役。スタディサプリ講師。私立学校研究家。高大接続・教育コンサルタント。

大学卒業後、大学受験予備校において小論文講師として活動する一方、通信教育会社や教科書会社にて小論文・志望理由書・自己アピール文の模擬試験作成および評価基準策定を担当。
のべ6万人以上の受験生と向き合うなかで得た経験や知見をもとに、小論文・志望理由・自己アピール・面接の指導法「カンザキメソッド」を開発する。
現在までに刊行した参考書は26冊(改訂版含む)、販売部数はのべ25万冊、指導した学生は10万人以上にのぼる。

専門学校で取得できる資格

専門学校で取得できる資格
専門学校で取得できる資格は数多くある!

そもそも専門学校では、 2〜3年制の学科を卒業すると「専門士」という称号が与えられ、大学への編入学が認められる。

この称号は初任給の金額などに影響し、「専門士」は短大卒と同程度とみなされることが多い。

また、4年制になれば「高度専門士」という称号になり、企業によっては大卒と同等としてみなされることもあり、大学院に進学することもできるようになるんだ。

加えて、専門学校に通うことで取得できる資格は数多くある。 その種類や、その取得方法のパターンはさまざまだけど、この記事では主に以下の4パターンのケースの資格を紹介しているよ!
- 所定の単位修得で卒業と同時に取得できる資格

- 卒業すると受験資格を取得できる資格

- 卒業すると試験の一部が免除される資格

- 受験指導やスキル養成を受けられる資格
また、資格によっては専門学校に通わなければいけない年数も違ったりもする。

自分が興味のある資格は、オープンキャンパスに参加したり、専門学校のホームページを見てみたりして、入学から卒業、そして資格取得までどんな流れになっているのか調べてみよう!

専門学校で目指せる資格一覧

専門学校で目指せる資格一覧
専門学校は、資格取得に強い
ここからはさっきの4つの取得方法のパターン別に、専門学校で目指せる資格を一覧で紹介していくよ!

興味のある資格が、専門学校卒業時にどんな流れで取得できるのか、ぜひ参考にしてほしい。

所定の単位取得と卒業で取得できる資格

教育・福祉・医療

資格名 受験資格 専門学校卒業で得られる特典
保育士 短期大学卒業者、大学に2年以上在籍し62単位以上を修得した者、高校卒業後、児童福祉施設で2年以上かつ2880時間以上働いた者、中学卒業後、児童福祉施設において5年以上かつ7200時間以上働いた者 厚生労働大臣の指定養成学校、その他の施設卒業で取得可
幼稚園教諭(専修、一種、二種) 各学位(修士、学士、短期大学士、専門士)+教諭免許状取得に必要な単位を修得した者 文部科学大臣の指定養成学校で所定の単位を修得し、卒業で取得可
社会福祉主事 厚生労働大臣の指定養成機関(大学・専門学校)を卒業した者、または講習を修了した者 厚生労働大臣、または都道府県知事の指定学校・学科卒業で任用資格を取得可
栄養士 厚生労働大臣の指定養成施設で2年以上、必要な知識および技能を修得した者 厚生労働大臣の指定養成施設卒業で取得可

 

自動車・航空・工業

資格名 受験資格 専門学校卒業で得られる特典
第二種電気工事士 誰でも受験可 経済産業大臣指定の養成施設卒業で筆記試験免除
電気主任技術者(第2種・第3種) 誰でも受験可 経済産業大臣指定の養成施設卒業で筆記試験免除

 

調理・製菓

資格名 受験資格 専門学校卒業で得られる特典
調理師 中学校卒業以上で、2年以上調理業務に従事した者 厚生労働大臣、または都道府県知事の指定養成施設卒業で申請資格を取得

 

卒業すると受験資格を取得できる資格

ビジネス・IT・法律

資格名 受験資格 専門学校卒業で得られる特典
社会保険労務士 学歴、職歴などにより異なる。専門学校は、修業年限が2年以上で、総授業時間が1700時間(62単位)以上の専門課程を修了した者 卒業で受験資格が得られる
税理士 学歴・資格などにより異なる。専門学校は、修業年限が2年以上で、総授業時間が1700時間(62単位)以上の専門課程を修了し、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者 卒業で受験資格が得られる

 

教育・福祉・医療

資格名 受験資格 専門学校卒業で得られる特典
愛玩動物看護師 学歴、職歴などにより異なる。専門学校は、都道府県知事の指定養成施設で3年以上学び、必要な知識・技能を修得した者 卒業で受験資格が得られる
看護師 文部科学大臣の指定学校で3年以上、必要な学科を修めた者。または、厚生労働大臣の指定養成施設を卒業した者など 卒業で受験資格が得られる
歯科衛生士 文部科学大臣の指定学校、または都道府県知事の指定養成施設を卒業した者など 卒業で受験資格が得られる
歯科技工士 文部科学大臣の指定学校、または厚生労働大臣の指定養成施設を卒業した者など 卒業で受験資格が得られる
診療放射線技師 大学入学資格があり、文部科学大臣の指定学校、または厚生労働大臣の指定養成施設で3年以上、必要な知識および技能を修得した者など 卒業で受験資格が得られる
臨床検査技師 大学受験資格があり、文部科学大臣の指定学校、または厚生労働大臣の指定養成施設で3年以上、必要な知識および技能を修得した者など 卒業で受験資格が得られる
臨床工学技士 大学入学資格があり、文部科学大臣の指定学校、または厚生労働大臣の指定養成施設で3年以上、必要な知識および技能を修得した者。大学(短大を除く)で厚生労働大臣指定の科目を修めて卒業した者など 卒業で受験資格が得られる
理学療法士 大学入学資格があり、文部科学大臣の指定学校、または厚生労働大臣の指定養成施設で3年以上、必要な知識および技能を修得した者など 卒業で受験資格が得られる
作業療法士 大学入学資格があり、文部科学大臣の指定学校、または厚生労働大臣の指定養成施設で3年以上、必要な知識および技能を修得した者など 卒業で受験資格が得られる
視能訓練士 大学入学資格があり、文部科学大臣の指定学校、または厚生労働大臣の指定養成施設で3年以上、必要な知識および技能を修得した者。大学などで指定科目を修めたうえで2年以上修業し、かつ上記の学校・養成所で1年以上学んだ者など 卒業で受験資格が得られる
保健師 看護師免許の取得が前提。そのうえで、文部科学大臣の指定学校で1年以上、必要な学科を修めた者、または、都道府県知事の指定養成施設を卒業した者(いずれも見込みを含む) 卒業で受験資格が得られる
助産師 看護師免許の取得が前提。そのうえで、文部科学大臣の指定学校で1年以上、必要な学科を修めた者、または、都道府県知事の指定養成施設を卒業した者(いずれも見込みを含む) 卒業で受験資格が得られる
あん摩マッサージ指圧師 大学入学資格があり、文部科学大臣の指定学校、または厚生労働大臣の指定養成施設で3年以上、必要な知識および技能を修得した者など。著しい視覚障害がある場合は、高校入学資格があり、上記の学校・養成施設において、3年以上必要な知識および技能を修得していること 卒業で受験資格が得られる
柔道整復師 大学入学資格があり、文部科学大臣の指定学校、または厚生労働大臣の指定養成施設で3年以上、必要な知識および技能を修得した者など 卒業で受験資格が得られる
はり師・きゅう師 大学入学資格があり、文部科学大臣の指定学校、または厚生労働大臣の指定養成施設で3年以上、必要な知識および技能を修得した者など。著しい視覚障害がある場合は、高校入学資格があり、上記の学校・養成施設において、5年以上必要な知識および技能を修得していること 卒業で受験資格が得られる
言語聴覚士 大学入学資格があり、文部科学大臣の指定学校、または都道府県知事の指定養成施設で3年以上、必要な知識および技能を修得した者など 卒業で受験資格が得られる
救急救命士 大学入学資格があり、文部科学大臣の指定学校、または厚生労働大臣の指定養成施設で2年以上(大学などで1年以上修業し、かつ指定科目を修めている場合は1年以上)必要な知識と技能を修得した者など 卒業で受験資格が得られる
管理栄養士 修業年限が2年(または3年、4年)である養成施設を卒業し、栄養士の免許を受けた後、3年(または2年、1年)以上の実務経験をもつ者。修業年限が4年の養成施設を卒業して栄養士の免許を受けた者など 卒業で受験資格が得られる
介護福祉士 学歴などにより異なる。専門学校は、文部科学大臣、および厚生労働大臣の指定学校、または都道府県知事の指定養成施設において必要な知識と技能を修めて卒業した者 令和9年度以降に養成施設を卒業する方は、卒業で受験資格が得られる。養成施設を令和8年度末までに卒業する方は、国家試験の受験は任意。不合格・未受験でも卒業後5年間の従事で取得可

 

不動産・建築

資格名 受験資格 専門学校卒業で得られる特典
二級建築士 大学、短大、専門学校、高校などで国土交通大臣の指定建築科目を修めて卒業した者。または、建築設備士(国家資格)の資格がある者。学歴がない場合は、7年以上の実務経験がある者 卒業で受験資格が得られる

 

自動車・航空・工業

資格名 受験資格 専門学校卒業で得られる特典
航空整備士(2等) 19歳以上、3年以上の整備経験など。航空運航整備士は18歳以上、2年以上の整備経験など 卒業で受験資格が得られる
消防設備士(甲種) 大学・短大・高専で機械や建築などに関する学科・課程を修め、卒業した者。乙種取得後、2年以上の実務経験者など。乙種は制限なし 卒業で受験資格が得られる
危険物取扱者(甲種) 大学・短大・高専で化学に関する学科・課程を修め、卒業した者(それに準ずる者)。または乙種取得後2年以上の実務経験者。乙種・丙種は制限なし 卒業で受験資格が得られる

 

調理・製菓

資格名 受験資格 専門学校卒業で得られる特典
製菓衛生師 中学卒業以上で、厚生労働大臣の指定養成施設で1年以上、必要な知識、技能を修得した者。または2年以上の菓子製造業に従事した者 卒業で受験資格が得られる
レストランサービス技能士(3級) 大学、短期大学、専門学校、高校でレストランなどにおける規定の料飲サービスに関する学科を修めて卒業した者、料飲サービス業務に1年以上の実務経験を有する者など 卒業で受験資格が得られる

 

理美容

資格名 受験資格 専門学校卒業で得られる特典
理容師 理容師・美容師養成施設で、昼間・夜間課程2年以上、通信課程3年以上の課程を修了した者など 卒業で受験資格が得られる
美容師 理容師・美容師養成施設で、昼間・夜間課程2年以上、通信課程3年以上の課程を修了した者など 卒業で受験資格が得られる

 

卒業すると試験の一部が免除される資格

自動車・航空・工業

資格名 受験資格 専門学校卒業で得られる特典
自動車整備士(2級) 国土交通省の指定養成施設・大学などで2年以上所定の課程を修了した者。または、自動車整備士3級の資格保有者で、かつ実務経験が所定の期間以上の者 卒業で実技試験が免除(一部学校では卒業と同時に取得も可)
工事担任者 誰でも受験可 認定学校の修了(見込み含む)で、全資格種で「基礎」科目免除

 

受験指導やスキル養成を受けられる資格

ビジネス・IT・法律

資格名 受験資格 専門学校卒業で得られる特典
公認会計士 誰でも受験可。一定の要件を満たす実務経験者、会計専門職大学院修了者などに対する試験科目の一部免除などもある 特になし
司法書士 誰でも受験可 特になし
行政書士 誰でも受験可 特になし
貿易実務検定 誰でも受験可 特になし

 

不動産・建築

資格名 受験資格 専門学校卒業で得られる特典
宅地建物取引士 制限なし。試験合格後、宅地建物取引士として登録するには2年の経験を積むか、講習を受ける必要がある 特になし

 

自動車・航空・工業

資格名 受験資格 専門学校卒業で得られる特典
ボイラー技士 2級は制限はないが、合格後の免許交付対象は18歳以上で、実務経験などが必要。1級は、2級取得者や、大学、高専、高校等でボイラーに関する学科を修め卒業し、その後1年以上実地修習した者など 特になし
手溶接技能者 基本級は1カ月以上、専門級は3カ月以上の実務経験が必要 特になし

 

語学・観光

資格名 受験資格 専門学校卒業で得られる特典
全国通訳案内士 誰でも受験可 特になし
旅行業務取扱管理者(総合・国内・地域限定) 誰でも受験可 特になし

 

将来に活かせる!資格の選び方

将来に活かせる!資格の選び方
どんなことを考えて、資格や専門学校を選ぶ?
「将来に活かせる資格」と聞くと、つい「これさえあれば大丈夫」「その資格を取れればずっとそれで食べていける」と思ってしまいたくなるよね。

でも、実はそこで考えを止めてしまうことはちょっと危険なことでもあるんだ。

ここからは、「資格」を将来の仕事に活かすうえで、どんなことに気をつけながら考えていけばいいのか、神﨑先生にお話をうかがったよ!
資格を取得しようと考えていること自体は、将来に前向きな姿勢でとてもよいことだと思います。

そのうえで、 もしどんな資格を選べばよいか迷っている場合は、ぜひ以下の3つのアプローチで考えてみてください。

- やりたい仕事か

- それが好き、あるいは得意か

- 自分が求めているライフスタイルが送れそうか


私は、上記の3つが噛み合う仕事が、その人にとって一番理想的な働き方ができる仕事になると考えています 。

ここからは、それぞれの考え方について解説するので、ぜひ自分と照らし合わせて考えてみてください。(神﨑先生)
-	やりたい仕事か -	それが好き、あるいは得意か -	自分が求めているライフスタイルが送れそうか

やりたい仕事から考える

すでに、自分が将来やりたい仕事や行きたい業界が決まっているならば、それは将来に対して前向きでとてもよいことだと思います。

どの専門資格が必要なのかも明確ですし、行くべき専門学校の選択肢もおのずと見えてくると思います。

ただ一方で、気を付けてもらいたいのが、 ゴール設定が、「その職業になる」になってしまっていないかどうか、です。

例えば、「看護師になりたい」と思っている場合、「看護師になる」は最終的な目標ではなく、「看護師として約40年、幸せに働いて生きていけるかどうか」のほうがゴールとしてより適切だといえます。

つまり、その職業を選んだらどんな生活水準で、どんなライフスタイルが送れそうなのか。

実際、私が高校生と相対していても 「その職業になりたいから、この資格を取る!」というところで考えが止まってしまっている生徒さんが多くいます。

職業をゴールにするのではなく、もっと長い、その先の人生のことも、思いめぐらせてみると案外違う考えが浮かんできたりもしますよ!(神﨑先生)

得意なこと・好きなことから考える

自分の特性から考えた時に「得意なこと」「好きなこと」から将来を探っていくことも、将来に対して前向きでよいことだと思います。

特に近年では「好きなこと」を仕事にしたいと考えている人も増えている実感があり、そのために必要な資格が取得しやすい専門学校を選ぶのも、よいアプローチです。

そこで一つ、心に留めておいてほしいのが、 「好きなこと」をやり続けるためには、苦手なことや嫌な仕事もやらなきゃいけない場面がある 、ということ。

例えば、私にとっては高校生の皆さんが自分が行きたい進路に進めることが大きなやりがいで、それを今後も続けていきたいと考えています。

一方で、経理に関連する業務がどうしても苦手で好きになれないのですが、自分がやりたいことを続けるためにはその業務もやらなければいけません。

一般的に、 社会には「一つのことだけやっていればいい」という仕事はほとんどありません。

そういう意味では、「好きなことをやる」と、「好きなことしかやらない」は、実は似ているようで大きな違いがあるのです。

この違いをしっかり区別して、いつのまにか「好きなことしかやりたくない」という考えに陥ってしまわないよう、注意してほしいと思います。(神﨑先生)

働き方・ライフスタイルから考える

高校生の皆さんにとっては、将来の働き方やライフスタイルは「イメージしてみよう」と思っても、現段階ではなかなか難しいところがあると思います。

ただ、 例えば身近にその職業の方がいたら、ある程度想像しやすいのではないでしょうか?

もし、自分が将来考えている職業の方が身近にいない場合は、オープンキャンパスなどに行った時に先輩方や先生に直接お話を聞いてみるのもいいかもしれません。

インターネットで調べているだけでは、具体的にイメージすることは案外難しいものです。

できるだけ実際に働いている方の話を聞いて、具体的なイメージをふくらましてみましょう(神﨑先生)

高校生の本音Q&A|資格ってどう選べばいいの?

高校生の本音Q&A|資格ってどう選べばいいの?
資格に対する漠然としたイメージを、より明確に
ここからは資格の選び方に関する、よくある小さな疑問に神﨑先生に答えてもらうよ!

Q. 就職に強い資格ってあるの?

やはり医療系、弁護士・税理士などの士業、教育・福祉系など、専門職に就くために必要な資格は、「就職に強い」といえるのではないでしょうか。

そもそも資格を取得していなければ応募すらできませんから、資格取得の時点である程度、ふるいはかけられているわけです。

また、簿記、宅建のような商業実務分野、ITパスポートや基本情報処理技術者のようなIT関連資格、TOEICをはじめとする英語資格については、追加で取得しておくとさらに強くなります。

ただ、 いずれにしても資格は「闇雲に取得すればどこでも通用する」というものではなく、資格の強さは「どこで働くか」によっても変わってきます。

自分が働きたい業界でその資格が本当に有用なのかどうか、事前に調べた上で取得する資格を選びましょう。(神﨑先生)

Q. くいっぱぐれない資格ってあるの?

そもそも「くいっぱぐれがない」とは、 その業界が人手不足で、常に安定して人材の需要がある状態のこと。

そういう意味では、資格取得自体の難易度が高いものは、そもそも人材数が少ないので、比較的、需要が高い職業といえるかもしれません。

私としては、就職した後の市場のことまで考えて「これならば安定した収入が得られそうだ」と考えて資格を選ぶことはとても良いことだと思います。

ただし、先ほどもお伝えしたように「やりたい仕事」「好きなこと・得意なこと」「求めるライフスタイル」の3つが噛み合っていることが大事。

「くいっぱぐれない」とお金のことだけで考えてしまうと、それは 「求めるライフスタイル」のみを重視した形になってしまう ので、できれば「自分がやりたいこと」「好きなこと・得意なこと」についても考えたうえで、選択することをおすすめします。(神﨑先生)

Q. 資格が取れる学校を選ぶだけでいいの?

資格から専門学校を選ぶのは、将来の自分の姿を考えるきっかけとしてはとても良いことだと思います。

だけど、 もしあなたが「資格が取れるから」という理由だけで専門学校に行こうとしているなら、そこで考えを止めてしまっているのはとてももったいないことです。

なぜなら、その理由だけでは本当にあなたが感じている、その職業に対する思いがわからないからです。

キャリア形成の理論の中に「キャリアアンカー」という考え方があります。

これは、その人がキャリアを選ぶ際に、どんな価値観や欲求をもっているのかを示す言葉で以下の3つから構成されるといわれています。

- どんな仕事がしたいのか
- どんなことに価値を感じるか
- 自分に何ができるか


「資格が取れるから」という理由だけでは、上記3つのどの思いも感じられてきませんよね?

これらが定まると自分自身だけでなく、周囲の人から見ても職業選択の納得が得やすくなります。

もし、「資格が取れる」という理由だけで専門学校を選ぼうとしているなら、上記の3つの観点で改めて自分と向き合う時間をつくってみてください。(神﨑先生)

Q. 資格を取れば将来は安心?

今、日本は大きな変化が起きている真っ只中にあります。

それはAIの登場もそうですし、人口減少によって国内の働き手を外国人に頼らざるを得ない状況もそう。

そんな状態で「将来、ずっと安泰」と呼べる職業を断言するのは非常に難しいと私は思います。

例えば、2025年にはとても大きな自動車メーカーや電機メーカーが数万人規模のリストラを発表しました。

それでも「大企業は安泰だ」というイメージをもち続けられるでしょうか?

たとえ資格をもっていたとしても、「絶対に大丈夫なことはない」という意識をもっているほうが、危機に対して柔軟に対応できるようになるのではないかと思います。(神﨑先生)

資格は「未来をつくる選択肢のひとつ」

資格は「未来をつくる選択肢のひとつ」
資格について調べたり考えたりするのは、自分の将来を考えることと同じ
最後に、改めて神﨑先生にみんなに向けてのメッセージをいただいたよ!
専門学校を無事卒業して資格を取得することができれば、それはあなたの未来を作ってくれる大きな武器になるでしょう。

ですが、何度もお伝えしているように人生は「資格を取って職業に付いたらゴール」ではありません。

長い人生を生きるのに必要なお金を稼ぐための、資格であり、仕事です。

まさに自分の人生を左右する選択なので、自分が目指したい業界が、今どんな状況でこの先どんな市場推移になりそうか、ぜひこの機会に調べてみてください。

それだけでも視野が広がり、今まで考えなかった選択肢がいくつも思い浮かんでくると思います。

この先、あなたの身を守ってくれるのは、ほかでもない今のあなた自身の選択です。

ぜひ今のうちから、自分と向き合う時間をしっかりとってみてください。(神﨑先生)

取材・文/郡司 しう 取材協力・監修/神﨑 史彦 構成/寺崎彩乃(本誌)
※2025年6月時点の取材に基づいています。


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