大学の面接や自己PRにも使える!プレゼンの仕方を文房具のコクヨに聞いた!/リクナビ進学ジャーナル
大学や専門学校の推薦・AO入試の面接で重要な“自己PR"。
でも、自分のことを上手にアピールするのってなかなか難しい…。
「そういう人は、企業が使っている“プレゼン"のテクニックを参考にしてみるといいですよ」
とは、大手文具メーカー「コクヨ」の経営企画室で人材育成に取り組んでいる、『コクヨの1分間プレゼンテーション』著者の下地寛也さん。
プレゼンとは、商品の魅力を相手に伝え「それは良い商品だから力を入れて売り出そう」「開発に力を入れよう」などと思ってもらうために行うもの。
下地さんによると、
「面接は“自分という商品を売り込む場"なので、プレゼンと共通するテクニックがたくさんあるんですよ」
とのこと。
そこでさっそく、自己PRにも使えるプレゼンのテクニックを教えてもらうことに!
成功談に説得力を持たせるには、欠点を乗り越えたエピソードが大事!
「プレゼン時に、商品のよい点ばかりを並べても、聴き手は『本当にそうなの?』と疑ってしまうもの。
そんな時は、『このノートの表面は光沢があり、ツルツルとしていて高級感があります。ただ、文字が書きにくいという欠点がありました』というように、あえて“ネガティブな要素"を入れます。
そして『この欠点を、このように改善しました』と続けると、説得力と商品の魅力の両方が伝わるんですよ。
もし面接で『高校時代に努力したこと』を聞かれたら、『部活で部長になったのですが、実力が伴っていなかったので、最初はチームメートに部長として認めてもらえませんでした。ただ、それから毎日◯◯のような努力を続けて、チームをまとめることができました』などと話すといいですね」
ポイントは、ネガティブなことをただ話すのではなく、「それをどう乗り越えたか」を伝えること。
これができると、説得力が増すだけでなく「欠点も含めて冷静に自分を分析できる子」という印象を与えることができるとか!
面接の場で急に具体的なエピソードを思い出すのは難しいので、日頃から高校生活での「嫌だったこと」「落ち込んだこと」をノートに書き出しておくといいそう。
志望動機は素早く、エピソードは間を置いて答える!
「プレゼンでは、商品の説明をした後に聞き手からの質問に答えるケースがほとんどです。このときにやりがちなのが、質問に間髪入れずに答えてしまうこと。
これをすると、『暗記してきた答えをただ言っているだけだな』と思われて、あまりいい印象にはなりません。
面接も同じで、『高校時代の印象深いエピソードはなんですか?』などと聞かれたら、すぐに本題に入らず『そうですね…』と1秒ほど考える素振りを見せてから答えるのが◎。
『この場でしっかり頭を回転させて話そうとしている』という印象になり好感度が上がります。
ただし、志望理由だけは素早く答える方がいいですね。ここで間を置くと、面接官に『そんなことも考えてきていないのか』と思われてしまいます」
がんばったエピソードは「I」ではなく「We」
「プレゼンでは、『こんな開発努力をしました』ということを伝える場面が多いのですが、一歩間違うと自慢話に聞こえてしまうことも。
そんな時は“私が"がんばったのではなく、“私達のチームが"がんばったエピソードとして話すと、チームの結束力や協調性が見えて好印象に。
自己PRも同じで、『高校時代にがんばったこと』を聞かれたときは、『私はこんなことをやり遂げたんです!』『こんなに頑張ったんです!』とアピールするよりも、『クラスで一丸となってやりとげました』『部活のメンバーに支えられてがんばることができました』などと話すといいですね」
大学でも就職先でも、チームで行う作業は多いもの。「この子は協調性があるな」「仲間思いだな」という印象は、プラスにつながるのだとか!
声の出し方や高さ、視線にも気を配ろう!
「人前で話すときは、声の大きさや高さも重要です。普段より2倍くらい大きな声で話すように意識すれば、実際には1.2倍ほどになります。これがちょうど聞きやすい声量なんですよ。声の高さは、説得力を持たせたいときは低め、熱意を伝えたいときは高めを心がけましょう。
また、面接官が複数人いる場合は、一番端の人から逆の端の人へ…とゆっくり目線を動かしながら話すと堂々として落ち着いた印象になります。キョロキョロするのはよくないので、一文ごとに左右を見渡すくらいのイメージで話すといいですね」
下地さんいわく
「プレゼンも自己PRも“人の心を動かすこと"が大切」
とのこと。
「プレゼンが、ただの商品説明になってしまっては相手は買おうと思ってくれません。自己PRも同じで、ただ自分を説明するのではなく『こんな経験を積んできた』『こんな考えを持っている』という“人間性"がわかるエピソードを伝えると、相手の心を動かすことができ『ぜひうちに来てもらいたい』と思ってもらえるのではないでしょうか」
面接での自己PRの時間はほんの数分。運命の分かれ道になるこの時間を有効的にするために、この方法を習得して自己PRマスターを目指してみては?