Instagram で「発信者」体験! 最新・メディア学の授業

大学の「メディア学」の授業ってどんなことをするか、みんな知っている?

 

TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアの登場で、大学の「メディア学」の授業にも新しい動きがある。敬和学園大学(新潟)でのユニークな取り組みを例に、最新「メディア学」の中身を探ってみよう。

 
 

■コンピュータの知識より、好奇心のほうが大事

 

「メディア学」とは、テレビや新聞・雑誌、インターネットなどさまざまなメディアの特性、機能、役割や社会への影響について学ぶ学問だ。

 

インターネットが発達する今、「メディア学」はテレビ局や新聞社など一部のマスコミ志望の人のためのものではなくなった。敬和学園大学の人文学部国際文化学科で「情報メディア論」を担当する一戸信哉准教授は、「メディア学」と仕事との関係についてこう話す。

 

「今はどこの会社でも、テレビCMや新聞広告以外にさまざまな新しいメディアも使って、自社の商品・サービスを消費者や利用者にアピールしています。こうしたメディアについて学んだ経験は、マスコミだけでなく幅広いタイプの会社で生かせると思います」(一戸准教授※以下同)

 

「メディア学」には、情報・通信技術を中心とした理系の面と、同大学のように社会とのかかわりを中心とした文系の面がある。「コンピュータに詳しい人」だけの学問ではなさそうだ。

 

「コンピュータの技術的な知識より、好奇心や幅広い興味・関心のほうが大切。例えば、コンピュータにしか興味がない人より、コンピュータの知識はなくても『その面白い使い方を人に教えたい』といった気持ちのある人に向いているでしょう」

 

画像:一戸信哉准教授

画像:一戸信哉准教授

 
 

■Instagramで情報発信を体験

 

同大学「情報メディア論」の授業では、各種メディアを使った実践的な取り組みが行われる。

 

例えば、受信者と発信者の関係をつかむため、Instagramによる写真共有の場を設定。「#」のキーワード検索機能を利用して、「#keiwa」を付けて投稿された写真を、「Keiwastagram」でまとめて見られるようにしている。

 

この「Keiwastagram」を通じて、なかなか世の中から注目されない日常にも、実はおもしろいことがたくさん転がっていることに気づくことができる。そんなソーシャルメディアの可能性を多くの学生に実感してもらおうと、授業の枠を超えて大学全体のプロジェクトに発展した。

 

「卒業生が黒板に書き残したメッセージ」「学食の名物である巨大おにぎり」など、いろんな学生や大学スタッフが大学の日常を発信。受験生にも「大学生活がよくわかる」と好評だ。

 

「普通の大学生でもソーシャルメディアを使って情報の『発信者』になれる時代。それが社会にもたらす影響・課題やメディアとの付き合い方について、理論だけでなく、体験を通じて学んでほしいと思っています」

 

画像:「Keiwastagram」の写真は学内にも掲示

画像:「Keiwastagram」の写真は学内にも掲示

 
 

■ドキュメンタリー番組の制作や、USTREAM配信も

 

また、商店街や酒蔵の振興など地域の課題をテーマにしたドキュメンタリー番組を制作する短期集中講座も。メディア学を学ぶ学生が中心となって、週1回お昼休みにUSTREAM番組「Keiwa Lunch」を配信するなど、メディアについてさまざまな「体験」の機会が設けられている。

 

「地域課題のドキュメンタリー制作を通じて社会に目が行くようになったり、USTREAM番組制作を通じて自分からかかわっていく力を磨いたり、学生にはさまざまな効果があるようです」

 

「メディア学」の体験的な学びは、現代社会を生きるみんなに意味がありそうだ。

 
 

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