ビッグデータの時代!使える学問として注目度上昇中の統計学
■大量のデータを分析するのに役立つ統計学
「高校や大学で勉強したことなんて社会に出たらたいして役に立たない」と考えている高校生はけっこう多いのでは?
大学などで学ぶ学問は、直接仕事や実生活に使えるとは限らない面も確かにある。しかし、今、ビジネスの世界で間違いなく役に立つと言われている学問がある。それが統計学だ。
そもそも統計学とは何なのかというと、数学の確率論を基礎にして、不確実性を含む大量のデータを分析して、一定の法則や傾向を探り出すための学問。…これではちょっとわかりづらいかも。
■コンビニの仕入れや商品陳列の裏にも統計学が!
例えば、コンビニでは、どんな年齢層・性別の客がどんな時間帯にどんな商品をどんな組み合せで買っていったか、すべてデータを記録している。
大量のデータをそのまま見ても何もわからないが、統計学の手法を使ってデータを分析することで、「気温が30度以上の夕方の時間帯はアイスと常温のお茶を一緒に購入する20代の女性客が多い」といったさまざまな傾向をつかむことができる。
これがわかれば、商品の仕入れや陳列の仕方に反映させることができる。こんなふうに使えるのが統計学。どうですか? 役に立ちそうでしょう?
■コンピュータの進化で大量のデータが蓄積可能に
ではなぜその統計学が今になって注目されているかというと、ポイントはコンピュータ技術の発達にある。
「クラウドコンピューティング」という大量のデータをため込む技術がここ数年で急速に進化。インターネットを通じたビジネスの普及もあって、企業は顧客に関するデータを大量に集めてため込むことができるようになった。
このデータはビジネスに有効に活用しないともったいない。そこでクローズアップされてきたのが統計学というわけだ。しかし、注目度が高まる一方で、データ分析のエキスパートはもちろん、統計学の基本を知っている人も不足気味。
実は日本の大学には統計学部や統計学科は存在していないというのも人材不足の一つの要因。といっても、もちろん大学で統計学を学ぶことができないというわけではない。
■社会学部や心理学部でも学ぶことができる
経済学部や社会学部、心理学部などデータを集めて分析する分野では、統計学の基本も学べるし、実際に統計学を使ってデータの分析も行う。
また、理学部数学科では、より専門的に統計学を研究することができる。そのほか、最近は経営系や情報系の学部・学科で、コンピュータ技術とあわせて統計学を使ったデータ分析を教えるところも徐々に増えている。
かつては、ビジネスの世界でも、経験則や勘で重要な判断が下されることがよくあった。しかし、データがあふれかえっている今は、企画を出すにも、戦略を考えるにも数字の裏付けが必須。
また、どんなデータを集め、どう活用していけばいいかは、まだまだ多くの企業が模索している段階。統計学はビジネスの基本として必要になってきているし、データ分析の専門家も幅広く求められるようになっている。
そんなわけで、統計学は「社会に出て確実に役立つ専門性を身につけたい!」という高校生にはおすすめの学問の一つ。興味がわいたら、学べる学部・学科を探してみよう!
■もっと知りたい人はコチラ→
◆さまざまな経済現象を統計によって分析する【経済学】
◆科学的な手法によって、人の心をさぐる【心理学】
◆あらゆる社会現象を科学的に分析する【社会学】
★★★大学・短大についてもっと知りたい人はコチラ!★★★