大阪市立大学、商学部生が防災袋「AIR POST」開発
大阪市立大学商学部の田村ゼミ3年生11名が、大阪・中崎町のかばんブランド「ichimaruni」と共同で、防災袋「AIR POST」開発した。
プロジェクトは大学広報室が「大学のブランド力を向上させるグッズ」の開発を田村ゼミに依頼したことがきっかけ。ゼミ生らは、同大学の防災研究力と近年起こりうる南海トラフ巨大地震に着目した。同大学の学生306人を対象に行った防災に関するアンケートでは、「学生のほとんどが、危機感があるにも関わらず防災袋を持っていない」ことが分かった。また、熊本や神戸などで被災した大学生などに調査を行ったところ、従来の防災袋のほとんどは部屋に置くと違和感があるデザイン、邪魔になる大きさだったために仕舞い込まれ、災害時持ち出すことができなかったことも分かった。
これらの調査より、災害時も機能するための防災袋には、おしゃれさとコンパクトさが不可欠だと考え、製品コンセプトを“おしゃれで、コンパクトで、手放せない防災袋”とした。商品名「AIR POST」には、「今までにはない新鮮さ」という意味も込めたという。
開発期間は約1年。デザインには、被災時に安全に避難できるよう、両手が空くリュック型を採用した。災害備蓄用焚黒糖(上野砂糖製)、オリジナルマニュアル(田村ゼミ制作)、水(500ml×2)、ラジオライト、救急セット、アルミポンチョ、ウェットティッシュ、簡易トイレ(3回分)など、非常持出品を入れて販売する。価格は9980円(税込)。
開発に携わった学生らは、「コンセプトが今までの防災袋にはなかったものであるために、決定まで何度も練り直し、本当に苦労しました。コンセプトが決まってからも、内容物を定期的に検討したり、聞き取り調査を行ったり、研究発表会の準備を進めたりと、寝る間もなく多忙でした。しかし、ゼミ生一丸となって、企画に取り組んだこの1年間は、とても充実していました。」とコメントしている。